モナコのLancaster-Coty社国際研究開発センターのMarc Pissavini氏らは、強い日差しの下で長時間過ごす人について、SPF(紫外線防御指数)15とSPF30の日焼け止め製品(サンスクリーン剤)を皮膚に塗布使用した場合の、サンバーン(sunburn)の頻度と程度を推定するためのシミュレーション研究を行った。その結果、サンバーンのリスクを最小限にしたいのであればSPF15よりもSPF30の製品の使用が薦められることを報告した。Photodermatology, Photoimmunology & Photomedicine誌2013年6月号の掲載報告。
本研究は、日焼け止めユーザーの皮膚表面における、日焼け止め効果の格差を推定するために開発されたシミュレーションモデルを用いて行われた。モデルは、製品の平均適用での塗布の厚さと皮膚表面全体の均一性について、日焼け止めユーザーのin vivo測定のSPFの確率分布を統合して創出した。
主な結果は以下のとおり。
・SPF15とSPF30いずれの日焼け止めも、名目上のSPFが、日差しに曝される皮膚全体に行き届いていれば、あらゆる紅斑を十分防止可能であった。
・しかし、シミュレーションの結果、統合平均量の皮膚表面全体への塗り方で厚さに差があり、とくにSPF15の日焼け止めユーザーで紅斑を招く可能性があることが示された。
・以上を踏まえて著者は、「強い日差しの下で長時間を過ごす人は、SPF15よりもSPF30と表示された日焼け止めを使用することが推奨される」と結論した。
・そのうえで、「サンバーンのリスクを最小限にしたいのなら、そして皮膚がんリスクも最小限にしたいと考えているのなら、日焼け止め製品を皮膚に慎重に塗布することが勧められる」とまとめている。
(ケアネット)