有痛性糖尿病性末梢神経障害(pDPN)の治療において、高齢で服薬アドヒアランスが高く維持されている患者の場合で医療コストを比較した結果、プレガバリン(商品名:リリカ)の服用患者で総医療費が低いことが明らかになった。米国・ファイザー社のMargarita Udall氏らが、保険データベースのデータを用いて、デュロキセチン(同:サインバルタ)、ガバペンチン(同:ガバペン)、アミトリプチリン(同:トリプタノールほか)服用と比較解析した結果で、同患者で薬剤経済学的なメリットを得るには、プレガバリンと服薬アドヒアランスの向上が鍵となることが示唆されたとまとめている。Pain Practice誌7月号(オンライン版2012年11月14日)の掲載報告。
保険請求データベースMarketScanを用い、2008年にプレガバリン、デュロキセチン、ガバペンチンまたはアミトリプチリンが処方され、処方開始日から60日以内に1回以上pDPN診断の請求があり、処方開始日の前後各1年連続して保険に加入していた患者を特定し、傾向スコアがマッチした患者群を解析対象とした。
解析対象は、プレガバリンが処方された987例のうち、デュロキセチンとの比較が349例、同様にガバペンチンが987例、アミトリプチリンが276例であった。
平均治療日数カバー比率(PDC)が80%以上および65歳以上の患者について、処方開始日前後の医療費の変化を比較した。
主な結果は以下のとおり。
・全体コホートでみた処方前後の総医療費の変化は、同程度であった。
プレガバリンvs. デュロキセチン:3,272ドルvs. 2,290ドル(p=0.5280)
プレガバリンvs. アミトリプチリン:3,687ドルvs. 5,498ドル(p=0.5863)
プレガバリンvs. ガバペンチン:3,869ドルvs. 4,106ドル(p=0.8303)
・しかし、高PDCおよび高齢の患者集団における処方前後の総医療費の変化は、プレガバリンが他の群と比較していずれも有意に低かった(p<0.001)。
プレガバリンvs. デュロキセチン:3,573ドルvs. 8,288ドル
プレガバリンvs. アミトリプチリン:2,285ドルvs. 6,160ドル
プレガバリンvs. ガバペンチン:1,423ドルvs 3,167ドル
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(ケアネット)