プレゼンにおけるベストなCOI開示方法は?~AAOSを例に~

提供元:ケアネット

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公開日:2013/08/01

 

 プレゼンテーションの前にスライドを提示して潜在的な利益相反(COI)の開示を行うことは、聴衆が提示されたデータを批判的に評価するためにほとんどの整形外科学会で行われており、インターネットサイトやプログラム集でたびたび補完されている。これまで、このスライドのフォーマットの忠実性や有用性は調査されておらず、その方法で本来の目的が達成されているのかどうかは、明らかになっていなかった。今回、メイヨークリニックのSassoon AA氏らは、2012年アメリカ整形外科学会(AAOS)年次総会において潜在的利益相反の開示状況について調査した。

 その結果、著者らは「潜在的利益相反開示において、タイミング、フォーマット、内容の不足があったため、スライド提示型開示を廃止し、標準化された客観的な開示方法に替えるべきである」と主張している(The Journal of Bone & Joint Surgery誌オンライン版2013年4月17日号の掲載報告)。

 主な結果は以下のとおり。

・多くの専門分野にわたり139の開示が見られ、そのうち125(90%)では規定通りの開示スライドが含まれていた。
・125のうち95のスライドが多くの単語(平均19.6単語)を含んでいた一方で、30のスライドは表示時間が短すぎて単語数を認識できなかったり、撮影できなかったりした。
・表示時間の平均は3.1秒であった。
・著者の利益相反開示が提示されたデータと関連があるか言及したのは52%のみであり、59%の演者は口頭でこの事実に触れていなかった。
・複数著者のいる発表のうち共著者をスライドで開示していたのは45%であった。
・ほとんどのスライド(85%)では組織に関する開示が行われていなかった。

(ケアネット 有田 衣里)