9月8日ERS(European Respiratory Society:欧州呼吸器学会)Annual Congressにて、初めての電子タバコとニコチンパッチの比較試験の結果が、ニュージーランド・オークランド大学のChris Bullen氏より発表された。
Bullen氏の研究チームは、657人の禁煙を希望する喫煙者を登録し、3つのグループに分けた。グループは13週電子タバコ(ニコチン含量16mg)を与えられた292人、13週ニコチンパッチを提供された292人、プラセボの電子タバコ(ニコチン含量 0)を提供された73人である。試験は13週、上記の禁煙補助具を用い、さらに3ヵ月間追跡した6ヵ月後の試験期間終了時に、参加者が禁煙を継続している否かを評価した。
結果、参加者の5.7%は禁煙を完遂していた。3つのグループの中でもっとも成功割合が高かったのは電子タバコで7.3%であった。ついで、ニコチンパッチグループは5.8%、プラセボグループは4.1%と続いた。また、電子タバコのグループは、禁煙に成功しなかった場合でも、57%の参加者においてタバコ消費量が減少した(ニコチンパッチグループ41%)。
Bullen氏は、「この試験は、電子タバコを禁煙補助具として評価する大きな基準となる。しかし、電子タバコの有効性や長期効果については不明な点も多く、今後はより大規模で長期間の試験の必要性に迫られている」と述べた。
(ケアネット 細田雅之)