医療従事者の手湿疹の実態について調べた結果、有病率は12%と低かったが関連症状の有病率は47%と非常に高率であることが明らかにされた。オランダ・VU大学医療センターのEsther W. C. van der Meer氏らが、1,232人を対象とした調査票ベースの観察研究の結果、報告した。医療従事者は手湿疹を呈するリスクが高く、仕事に支障をもたらす可能性が示唆されていた。Contact Dermatitis誌2013年9月号(オンライン版2013年6月28日号)の掲載報告。
研究グループは、オランダの医療従事者における手湿疹の自己申告での有病率を調べ、それによる長期欠勤や疾病就業(presenteeism、何らかの不調のために職務遂行能力が低下している就業状態)について調べた。
本研究には、同国内の病院およびナーシングホームから1,232人が参加した。手湿疹についてはNOSQ-2002を用い、また長期欠勤と疾病就業についてはPRODISQを用いて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・医療従事者の手湿疹の1年有病率は12%であった。
・全参加者のうち47%が、手湿疹関連症状を報告した。
・手湿疹による病気療養休暇を申告したのは、参加者全体では0.3%、手湿疹罹患者では1.7%であった。
・また、手湿疹罹患者の3.1%が、疾病就業に大きな影響があることを報告した。
・以上のように、オランダ医療従事者の手湿疹の1年有病率は低いが、関連症状の有病率は非常に高いことが明らかになった。また、手湿疹は長期欠勤や疾病就業に関してはほとんど影響はないようであった。
(ケアネット)