アスペルガー障害、高機能自閉症への第二世代抗精神病薬は有用か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/10/04 カナダ・王立オタワ精神保健センターのNatalie Sochocky氏らは、アスペルガー障害(AD)および高機能自閉症(HFA)に対する第二世代抗精神病薬の有用性についてシステマティックレビューとメタ解析を実施した。その結果、ADおよびHFAの行動症状は第二世代抗精神病薬により改善するが、有害事象として体重増加に注意が必要であることを報告した。Current Clinical Pharmacology誌オンライン版2013年9月20日号の掲載報告。 小児および思春期の低機能自閉性障害の興奮性および攻撃性の治療における、第二世代抗精神病薬に関するエビデンスが蓄積されつつある。ADおよびHFA患者は大きな感情的および行動的な問題、精神的合併症を抱えており、研究グループは、これら患者に対し、より効果的な治療選択を提供するため、第二世代抗精神病薬の有効性に関する発表論文をレビューする必要があるとして本検討を行った。 Medline、PubMedおよびPsychINFOのデータベースを用いて、小児および思春期(0~24歳)のADならびにHFAに対する第二世代抗精神病薬使用に関する最近の英語文献について、システマティックレビューとメタ解析を実施した。キーワードとして、「アスペルガー」「高機能自閉症」「自閉症スペクトラム(ASD)」「広汎性発達障害(PDD)」を、「第二世代抗精神病薬」「アリピラゾール」「オランザピン」「クエチアピン」「リスペリドン」「ジプラシドン(国内未承認)」と組み合わせて検索した。 主な結果は以下のとおり。 ・引用文献214件が抽出された。そのうちIQ 71以上の被験者が25%以上を占める非盲検試験あるいは無作為化対照試験(RCT)のみをレビューの対象とした。 ・レビュー適格試験は11件であり、8試験についてメタ解析を実施した。 ・方法論の正確性に限界があったものの、解析の結果、ADおよびHFAの行動症状が第二世代抗精神病薬により改善することが示唆された。 ・大多数の試験で、有害事象として体重増加が報告されていた。 ・以上を踏まえて著者は、「各試験には頑健性の欠如による限界がみられ、薬理学的ならびに精神社会的治療に関するさらなる研究が求められる。臨床医は、ベネフィットと心血管代謝リスクとのバランスを考慮して慎重に治療を行うべきである」と結論している。 関連医療ニュース 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか? 自閉症スペクトラム障害への薬物治療、国による違いが明らかに 若年発症統合失調症への第二世代抗精神病薬治療で留意すべき点 (ケアネット) 原著論文はこちら Sochocky N et al. Curr Clin Pharmacol. 2013 Sep 20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] lepodisiran、400mg投与で半年後のLp(a)値を93.9%低下/NEJM(2025/04/17) TAVI生体弁比較、SAPIEN 3 vs.Myval/Lancet(2025/04/17) 慢性期心不全患者への水分制限は不要!?(FRESH-UP)/ACC(2025/04/17) セフトリアキソンで腎盂腎炎を伴う腸内細菌目細菌菌血症を治療できるか(2025/04/17) 日本の男性乳がんの生存率、女性乳がんと比較~12府県のがん登録データ(2025/04/17) 若年性認知症患者、過去30年間で2倍超(2025/04/17) 医師からのメッセージ、AIが作成しても患者の満足度は高い(2025/04/17) 喘息の検査には時間帯や季節が影響する(2025/04/17)