食生活の改善は本当にうつ病予防につながるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/11/27 これまで行われた単体の栄養成分とうつ病との研究では、相反する結果が報告されており、また栄養成分間の複雑な相互作用を考慮することができなかった。最近の研究では、食事の構成要素全体とうつ病の関連を検討している試験が増えている。オーストラリア・Priority Research Centre for Gender, Health and AgeingのJun S Lai氏らが、成人住民ベースで、食事構成とうつ病との関連を評価するシステマティックレビューとメタ解析を行った。American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2013年11月6日号の掲載報告。 研究グループは、2013年8月までに発表された、成人を対象として食事(全構成)とうつ病との関連を調べていた試験を、6つの電子データベースを使って検索した。試験は方法論が厳密であるもののみを対象とした。2名の独立したレビュワーが、試験の選択、質の評価、データの抽出を行い、適格となった試験の効果サイズをランダム効果モデルを用いてプールした。所見サマリーが、試験概要を示しただけのものであったものはメタ解析から除外した。 主な結果は以下のとおり。 ・合計21試験が特定され、13件の観察研究の結果がプールされた。 ・食事パターンは、2つが特定された。 ・解析の結果、健康食(healthy diet)は、うつ病リスクの低下と有意に関連していた(オッズ比[OR]:0.84、95%信頼区間[CI]:0.76~0.92、p<0.001)。 ・西洋風の食事(Western diet)とうつ病には統計学的に有意な関連はみられなかった(OR:1.17、95%CI:0.97~1.68、p=0.094)。しかしながら、試験数が少なく効果を正確に推定できなかった。 ・著者は、「果物、野菜、魚、全粒穀物の高摂取は、うつ病リスクの低下と関連している可能性があることが示唆された」と述べたうえで、「より質の高い無作為化比較対照試験とコホート研究を行い、今回の知見、とくに時間的連続性の関連について確認する必要がある」とまとめている。 関連医療ニュース 日本人のうつ病予防に期待、葉酸の摂取量を増やすべき 1日1杯のワインがうつ病を予防 うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」 (ケアネット) 原著論文はこちら Lai JS et al. Am J Clin Nutr. 2013 Nov 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 果物の摂取量が多いほどうつ病リスク低下/国立精神・神経医療研究センター 医療一般 日本発エビデンス(2022/11/24) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 冠動脈疾患へのPCI、FFRガイド下vs.IVUSガイド下/Lancet(2025/04/18) 症候性発作性AFのアブレーション、パルスフィールドvs.クライオバルーン/NEJM(2025/04/18) iPS細胞移植、パーキンソン病患者の脳内でドパミン産生を確認/京大(2025/04/18) カピバセルチブ使用時の高血糖・糖尿病ケトアシドーシス発現についての注意喚起/日本糖尿病学会(2025/04/18) 非専門医による診療機会を考慮、成人先天性心疾患診療ガイドライン改訂/日本循環器学会(2025/04/18) 通院費増で遺伝子変異に関連した治験への参加率が低下、制度拡充が必要/国立がん研究センター(2025/04/18) 双極症における片頭痛と関連する臨床的特徴(2025/04/18) 臓器の生物学的老化の加速は疾患リスクに影響する(2025/04/18) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)