分子遺伝学的完全寛解(CMR)に到達した慢性期慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者の半数以上で、イマチニブ中止後に分子遺伝学的再発を認める。仏ベルサイユ大学のPhilippe Rousselot氏らは、治療再開の判断基準として分子遺伝学的major寛解(MMR)の喪失を検討した。その結果から、CMR期間の長いCML患者においてMMR喪失が治療再開の実用的かつ安全な基準であると報告した。Journal of clinical oncology誌オンライン版2013年12月30日号に掲載。
著者らは、長期間CMRを維持した後にイマチニブを中止したCP-CML患者80例において、MMR維持を調査する多施設観察研究(A-STIM)を行った。
主な結果は以下のとおり。
・イマチニブ開始から中止までの期間の中央値は79ヵ月(範囲:30~145ヵ月)、イマチニブ中止前のCMR期間の中央値は41ヵ月(範囲:24~96ヵ月)、イマチニブ中止後の追跡期間の中央値は31ヵ月(範囲:8~92ヵ月)であった。
・MMR喪失例は29例(36%)で、無治療期間の中央値は4ヵ月(範囲:2~17ヵ月)であった。
・累積MMR喪失率は、12ヵ月で35%(95%CI:25~46%)と24ヵ月で36%(95%CI:26~47%)である一方、CMR喪失率は高かった。
・イマチニブ中止後、MMRの閾値(2回以上連続陽性)より下回るBCR-ABL転写レベルの変動は31%の患者に認められた。
・無治療での寛解は、12ヵ月と24ヵ月で64%(95%CI:54~75%)、36ヵ月で61%(95%CI:51~73%)であった。
・再治療を受けた患者において、2回目のCMR到達までの期間の中央値は7.3ヵ月であった。
(ケアネット 金沢 浩子)