糖尿病患者はパーキンソン病発症リスク低い!?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/02/07

 

 糖尿病とパーキンソン病。両疾患の異種性にもかかわらず、症例対照研究の結果、糖尿病患者ではパーキンソン病の発症率が低い可能性が、中国・温州医科大学のLin Lu氏らによって示唆された。著者は、この関連性を明確に理解するために、より多くの研究が行われるべきとしている。PloS One誌1月21日号掲載の報告。

 糖尿病が、パーキンソン病のリスクを増加させるかどうかについては定かではない。このメタ解析の目的は、糖尿病とパーキンソン病発症リスクとの関連性について評価した症例対照研究のエビデンスを統合することにある。

 糖尿病とパーキンソン病との関連性を評価した症例対照研究を特定するため、7つのデータベースで検索を行った。本研究の方法論の質は、ニューキャッスル・オタワ・スケールを用いて評価した。すべてのデータは、Review Manager 5.15.1ソフトウエアを用いて分析した。性別、地理的位置、対照群、喫煙、糖尿病治療薬の処方と糖尿病罹病期間によって層別化したサブ解析も、同様のソフトウエアを用いて分析された。

 主な結果は以下のとおり。

・メタ解析の基準を満たした研究は14報あり、パーキンソン病患者計2万1,395 人、対照被験者は計8万4,579人にのぼった。

・両疾患の異種性にもかかわらず、糖尿病患者ではパーキンソン病発症リスクが低かった(オッズ比: 0.75、95%信頼区間: 0.58~0.98)。

・サブ解析では、北米からの研究、一般市民を対照群とした研究、非喫煙者、およびアンケートや自己申告に基づく糖尿病患者群においても、やはり負の相関があることが示唆された。

・性別および、糖尿病罹病期間で層別化した結果、有意な関連性は認められなかった。

・欧州およびアジア患者、病院対照群を対照とした研究、喫煙者、医療記録や医師の診断に基づく糖尿病患者群、および糖尿病でのインスリン処方について層別化した場合でも、関連性は認められなかった。

(ケアネット 岸田有希子)