変形性膝関節症(膝OA)に対する非動物性の安定化ヒアルロン酸(non-animal stabilized hyaluronic acid:NASHA)ゲル単回関節内投与の有効性および安全性をメチルプレドニゾロンと比較検討する臨床試験が、カナダ・エリザベス女王(QEII)ヘルスサイエンスセンターのRoss K. Leighton氏らによって行われた。結果、12週時点のNASHAのメチルプレドニゾロンに対する非劣性が示された。NASHAの効果は持続的で忍容性も良好であったという。Osteoarthritis and Cartilage誌2014年1月号(オンライン版2013年11月1日号)の掲載報告。
研究グループは、疼痛を有する片側膝OA患者442例を対象に、NASHA単回関節内投与のメチルプレドニゾロンに対する非劣性を検証する26週間の多施設共同無作為化二重盲検試験を行った。
主要評価項目は、12週後の有効率(WOMAC疼痛スコアの試験開始時からの改善率が40%以上かつ絶対値で5ポイント以上低下した患者の割合)であった。
二重盲検試験終了後(26週後)は、全例にNASHAを投与し、さらに非盲検にて26週間追跡する延長試験が行われた。
主な結果は以下のとおり。
・12週後の有効率は、NASHA群44.6%、メチルプレドニゾロン群46.2%で、群間差は1.6%(95%信頼区間[CI]:-11.2~7.9%)で、非劣性が示された。
・12~26週において、WOMACの疼痛スコア、身体機能、こわばりに関する有効性は、NASHA群がメチルプレドニゾロン群より大きかった。
・延長試験では、初期治療に関係なくNASHA投与後26週間の持続的な改善効果が示された。
・治療に関連する重篤な有害事象は報告されなかった。
(ケアネット)