鼻炎患者のPADリスク、4.63倍

提供元:ケアネット

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公開日:2014/03/05

 

 イタリア・ヴェローナ大学のM. Ferrari氏らによる成人1,174例を対象とした住民ベースの多症例コントロール研究の分析から、鼻炎が、将来の脳・心血管イベントを予測する末梢動脈疾患(PAD)と関連していることが示された。対象者は呼吸器疾患サーベイの参加者で、呼吸器疾患と間欠跛行との関連を調べた結果、鼻炎と間欠跛行の有意な関連がアトピー性皮膚炎とは独立してみられたという。喘息のみ患者や、喘息と鼻炎の併発患者では関連は有意ではなかったことも示されている。Allergy誌オンライン版2014年1月21日号の掲載報告。

 先行研究において、慢性の炎症性気道疾患は心臓や脳の血管系疾患と関連していることが報告されたが、PADとの関連は検討されていなかった。そこで研究グループは、喘息や鼻炎と、PADの典型的症状である間欠跛行との関連を調べた。

 住民ベースの多症例コントロール研究であった呼吸器疾患サーベイから、遺伝子‐環境因子を連関してデータを集め分析した。被験者は、面談、皮膚プリックテスト、肺機能検査を受けていた。

 呼吸器疾患と間欠跛行(歩行中に痛みを感じ、休むと10分以内に消えるなど)の関連を、多項ロジスティック回帰モデルによる相対リスク比(RRR)により推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・1,174例(20~64歳、女性52%)が臨床検査を受け、喘息のみ群(81例)、喘息と鼻炎の併発群(292例)、鼻炎のみ群(299例)、対照群(345例)の4グループに分類された。
・各群の間欠跛行有病率は、喘息のみ群2.5%、喘息‐鼻炎群3.4%、鼻炎のみ群6.4%、対照群2.3%であった。
・喫煙習慣、複数の血管リスク因子(確立された潜在因子)で補正後、鼻炎のみと間欠跛行との関連がみられた(RRR:4.63、95%信頼区間[CI]:1.72~12.5)。一方で、喘息のみ(同:1.45、0.27~7.76)、喘息‐鼻炎(同:2.89、0.91~9.18)では有意な関連がみられなかった。
・鼻炎と間欠跛行の関連は、アトピー性皮膚炎を考慮しても変わらなかった。
・鼻炎は、将来的な脳血管・心血管疾患を予測するPADと関連していることが示され、その関連はアトピー性皮膚炎の存在とは独立したものであった。

(ケアネット)