フランス・ブレスト大学のLaurent Misery氏らは、一般開業医を受診するアトピー性皮膚炎小児患者と適合対照者を9年間追跡し、頻度の高い併存疾患や医療費などを調べた。その結果、呼吸器および眼系の臓器に疾患を伴う頻度が高いことを報告。また医療費はアトピー性皮膚炎患者で高かったが、年齢とともにその差は縮小することも明らかになった。これまでアトピー性皮膚炎患者における併存疾患と治療コストとの関連について、プライマリ・ケア設定での検討はほとんど知られていなかった。Dermatology誌オンライン版2014年3月20日号の掲載報告。
研究グループは、アトピー性皮膚炎患者における併存疾患と治療コストとの関連を調べるため、フランスの一般開業医を受診した患者の電子カルテデータベースを用いて、後ろ向きコホート研究を行った。
生後1歳未満でアトピー性皮膚炎を診断された全乳児と、疾患の有無を問わず性別で適合した乳児を対象に分析した。
主な結果は以下のとおり。
・被験児(患児群、適合対照群とも1,163例ずつ)を、9年間追跡した。
・分析により、関連疾患、薬剤費、治療費が判明した。
・患児群と適合対照群を比較した結果、患児群のほうが併存疾患をより多く有しており、とくに呼吸器系、眼系の臓器に関する疾患が多かった。
・皮膚科疾患領域における処方を伴う治療件数および全体的な医療費(一般開業医の診察および治療薬処方)は、アトピー性皮膚炎患者において高かった。しかし、その差は年齢とともに縮小していた。
(ケアネット)