腰痛持ちの女性が治療者を選ぶポイントは?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/04/16

 

 腰痛持ちの女性を対象に、治療者(開業医やカイロプラクターなど)を選んだ理由について調査した結果、治療アプローチや治療法もしくは治療の科学的根拠とは無関係であること、さらに正式な資格よりも、「有効性」やその「治療経験」の事例報告が大きく影響することが示唆された。オーストラリア・クイーンズランド大学のEmma R Kirby氏らが報告した。オーストラリアにおいても女性の腰痛患者が増加してきているという。腰痛患者は補完代替医療(CAM)を含む幅広い治療オプションを利用することができ、その利用パターンについてはすでに報告がされていた。BMC Health Services Research誌2014年3月21日号の掲載報告。

 研究グループは、Australian Longitudinal Study on Women’s Healthに登録されている60~65歳の慢性腰痛を有する女性患者を対象に、腰痛の治療者の選択に与える要因を調べる目的で50回の半構造化面接を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・腰痛持ちの女性が治療者を選ぶ際に影響を受けている主な要因は、「治療に精通しているもしくは経験豊富である」「社会的ネットワークからの推薦」「地理的な近さ」「治療者の資格と証明書」の4つであった。
・治療アプローチやエビデンスの存在は治療を選択する意思決定の主たる理由として報告されなかった。

 著者は、「腰痛持ちの女性個々が、特定の治療者を選ぶ理由をより理解するためには、人間関係や治療者を選択する客観的および主観的基盤などについてさらなる調査が必要である」とまとめている。

(ケアネット)