カルボプラチン+パクリタキセルは3週ごと?毎週?:進行卵巣がん(MITO-7試験)

提供元:ケアネット

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公開日:2014/04/23

 

 3週ごとカルボプラチン+パクリタキセル(3wCP)は、進行卵巣がん患者の一次治療標準療法である。一方、毎週パクリタキセル+ 3週ごとカルボプラチン療法は、日本の第III相試験で無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を延長している。本研究は、イタリアのSandro Pignata 氏らにより、毎週カルボプラチン+パクリタキセル(wCP)の3wCPと比較した有効性を評価することを目的に行われた。The Lancet Oncology誌2014年4月15日号(オンライン版2014年2月28日号)の掲載報告。

 試験は、多施設無作為化オープンラベル第III相試験として、イタリアとフランスの67施設で行われた。FIGOステージIC-IV期の卵巣がん患者は、3wCP(カルボプラチンAUC 6mg/mL/分+パクリタキセル175mg/m2)6サイクル群とwCP(カルボプラチンAUC 2mg/mL/分+パクリタキセル60mg/m2)18週群に無作為に割り当てられた。プライマリエンドポイントはPFSとQOL(FACT-O/TOIスコアにて評価)であった。分析はintention to treatで行われた。
 2008年11月20日から2012年3月1日の間に822例の患者が登録された。分析適応は810例で、404例が3wCP群に、406例がwCP群に割り当てられた。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値22.3ヵ月で、無増悪生存は449例であった。
・PFS中央値は、3wCP群、wCP群でそれぞれ17.3ヵ月(95%CI:15.2~20.2)、18.3ヵ月(95%CI:16.8~20.9)であり、ハザード比は 0.96(95%CI:0.80~1.16、p=0.66)であった。
・QOL(FACT-O/TOIスコア)は、3wCP群では各サイクルごとに悪化したが、wCP群では1週目に一時的に悪化したものの、その後は安定しており、2群間に有意な差があった(treatment by time interaction p<0.0001)
・好中球減少(グレード3~4)は、3wCP群、wCP群でそれぞれ200/400例(50%)、167/399例(42%)。発熱性好中球減少症はそれぞれ11例(3%)、2例(0.5%)であった。
・血小板減少(グレード3~4)は、3wCP群、wCP群でそれぞれ27例(7%)、4例(1%)であった。
・神経障害(グレード2以上)は、3wCP群、wCP群でそれぞれ68例(17%)、24例(6%)であった。

(ケアネット 細田 雅之)