小児の腰痛は、ほとんど原因を特定できないと示唆する研究が散見されるが、プエルトリコ・Hospital de la Concepcion のNorman Ramirez氏らの検討により、腰痛を主訴に受診した小児患者の3割強は、画像による系統的なアプローチによって病変を特定できることが判明した。著者は、「腰痛や恒常的な疼痛は、病変が潜んでいることを示す警告であることを認識しておかなければならない」とまとめている。Journal of Pediatric Orthopaedics誌オンライン版2014年3月28日号の掲載報告。
研究グループは、(1)小児整形外科クリニックにおける腰痛の有病率の調査、(2)小児腰痛の診断におけるMRIによる系統的なアプローチの有効性の評価、(3)臨床所見の感度、特異度、陽性的中率および陰性的中率の分析を目的とした。
2年間にわたり、腰痛を主訴に小児整形外科クリニックを受診した全患者を登録し、前向きに恒常的な疼痛、夜間痛、神経根痛、神経学的検査異常、身体検査、MRIなどを含む画像診断について調査した。
主な結果は以下のとおり。
・腰痛小児の有病率は、8.6%(261/3,042例)であった。
・261例中、34%(89例)は系統的アプローチによって病変が特定された。
・8.8%は既往歴、身体所見および単純X線で診断された。
・その他の25%は、MRIで確定診断された。すなわち89例中、26%は単純X線で、74%はMRIで病変が特定された。
(ケアネット)