体幹を鍛える腹部ブレーシング、腰痛に効果

提供元:ケアネット

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公開日:2014/05/07

 

 これまで、再発性腰痛に対する適切な運動のタイプやパラメータは判明していない。ブルガリア・ソフィア大学のAssen Romanov Aleksiev氏は、体幹の安定性を高める腹部ブレーシングの再発性腰痛に対する長期的な効果を評価した。結果、運動の頻度が運動の種類や継続期間または強度よりも重要で、腹部ブレーシングは運動の効果を高めることを明らかにした。著者は、腹部ブレーシングの効果について、「体幹の安定性と筋収縮頻度を増す“必要に応じて付けられる予備的な筋肉の腰ベルト”としてみなすことができる」とまとめている。Spine誌オンライン版2014年4月11日号の掲載報告。

 本研究は、再発性腰痛に対する強化訓練と柔軟運動の長期的効果を比較するとともに、腹部ブレーシングの付加的な効果を評価することが目的であった。

 対象は再発性腰痛患者600例で、次の4群に無作為割付けし10年間観察した。

(1)強化運動群150例(42.5±12.7歳)
(2)柔軟運動群150例(41.3±11.5歳)
(3)強化運動+腹部ブレーシング群150例(41.0±13.2歳)
(4)柔軟運動+腹部ブレーシング群150例(40.6±12.3歳)

 試験開始時および10年後に、疼痛の頻度、強度、持続期間および運動の頻度、強度、継続期間の6つの結果を記録した。

 主な結果は以下のとおり。

・疼痛の頻度、強度、持続期間および運動の頻度は、すべての群で試験開始時に比べ2年目に改善していたが、2年目より10年目は悪化していた。
・強化運動群と柔軟運動群で、差はなかった。
・腹部ブレーシングを並行して行った2群は、ほかの2群より結果が良好であった。
・疼痛の強度、頻度、持続期間および運動の頻度は互いに相関していたが、運動の継続期間および強度とは相関していなかった。

(ケアネット)