先行研究において、ポジティブな状態になると疼痛が軽減し、疼痛への耐性が高まることが、実験的な研究において明らかになっている。米国・ピッツバーグ大学のLeslie R.M. Hausmann氏らは今回、日常生活においてポジティブな活動を行うことが実際に疼痛を軽減させるかについて、オンラインを利用した介入研究を行った。その結果、簡単なポジティブ活動で身体的な疼痛を緩和できることが示唆された。結果を踏まえて著者は、「簡単なポジティブ活動は、インターネットを介して与えることができる。比較的低コストで持続性のある健康介入の普及も容易だろう」とまとめている。The Journal of Pain誌2014年5月号(オンライン版2014年2月22日号)の掲載報告。
試験は、ウェブサイトで参加者を募集し、ポジティブ活動の介入実施について、なし/2種/4種/6種の4群に無作為化して、6週間にわたりオンライン上で活動を指導した。
評価は試験開始時、6週間の介入終了時、終了1ヵ月後、3ヵ月後および6ヵ月後であった。SF-36を用いて身体の痛みについて自己報告してもらい、試験開始時の身体の痛みの下位尺度スコアが67未満(疼痛スコアの範囲:0~100、高値ほど疼痛が少ない)の参加者を対象に解析した。
主な結果は以下のとおり。
・身体的な痛みの平均スコアは、試験開始時および介入終了6ヵ月後において、活動介入なし群がそれぞれ54.1と62.2、2種実施群が55.7と67.4、4種実施群が54.2と71.0、6種実施群が50.9と67.9で、ポジティブ活動を実施した3つの群で改善した。
・身体の痛みの改善は、活動なし群と比較して4種実施群および6種実施群で有意に大きかった(P<0.05)。
(ケアネット)