高齢者において腰椎変性疾患の手術は禁忌ではない

提供元:ケアネット

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公開日:2014/06/11

 

 腰椎変性疾患は整形外科医が日常診療において最もよく直面する疾患で、手術を必要とする患者も少なくない。スペイン・Hospital del Mar のDaniel Perez-Prieto氏らの調査によれば、腰椎変性疾患の手術を受けた患者のQOLや満足度は、高齢者でも非高齢者と同様の改善が得られており、とくに機能障害の改善が高齢者で大きいことが判明した。著者は、「高齢者において腰椎変性疾患の手術は禁忌ではない」とまとめている。European Spine Journal誌2014年5月号(オンライン版2014年1月24日号)の掲載報告。

 対象は、腰椎変性疾患のため腰椎手術を受けた263例(65歳以上の高齢者群74例、65歳未満の非高齢者群189例)である。

 患者データベースを用い、術前ならびに術後2年間の健康関連QOL(Oswestry Disability Index:ODI)、SF-36、腰痛のコアアウトカム測定指数(COMI)について解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・2群の転帰に、有意差は認められなかった。
・2群のどちらにおいても、QOLすべての評価項目が、術前に比べ術後に改善していた。
・ODIの改善(中央値)は、非高齢者群で6.0ポイント、高齢者群で12.0ポイントであった。
・SF-36身体的側面のQOLスコアの改善(中央値)は、それぞれ6.95ポイントおよび6.36ポイント、SF-36精神的側面のQOLスコアの改善は、同様に4.48ポイントおよび4.96ポイントであった。
・COMIは両群ともに1.2ポイント(中央値)改善した。
・満足度(満足または非常に満足)は、非高齢者群が66.9%、高齢者群が59.7%であった。

(ケアネット)