エンザルタミドは、ドセタキセル投与後進行例の去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)に対して承認されている抗アンドロゲン受容体阻害剤である。この試験では、ホルモン療法未施行患者群に対する、エンザルタミド単独使用の効果と安全性の評価を目的としている。オープンラベル、シングルアームの第II相試験で、ヨーロッパの12施設で行われた。対象は、テストステロン未去勢レベル、PSA2ng/ml以上、PS=0のホルモン未治療の前立腺がん患者。これらの対象患者に、エンザルタミド160mg/日を連日投与し、25週におけるPSAが80%以上減少患者の割合をプライマリエンドポイントとしている。ベルギー ルーヴァン・カトリック大学Tombal氏らの研究。Lancet Oncology誌2014年5月号の報告。
主な結果は以下のとおり。
・67例中62名92.5%(95%CI:86.2-98.8)で、25週における80%以上のPSA減少を認めた。
・おもな有害事象として、女性化乳房24例、倦怠感23例、乳頭痛13例、ホットフラッシュ12例を認めた(いずれも軽度から中程度)。
・Grade3以上の有害事象は、肺炎2例、高血圧4例(その他はいずれも1例)であった。
この試験の結果から、エンザルタミドはホルモン未治療の前立腺癌患者に対しても、一定程度の進行抑制と忍容性を有することが認められた。今後の非去勢前立腺癌に対する、さらなる研究が期待される。
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(ケアネット 細田 雅之)