慢性腰痛患者を対象としたタネズマブ(tanezumab、国内未発売)の、無作為化プラセボおよび実薬対照二重盲検比較試験の延長試験の結果が発表された。タネズマブ10mgが20mgと有効性は同等で忍容性は良好であったことが示された。米国・アリゾナリサーチセンターのJoseph S. Gimbel氏らが、タネズマブ長期投与の安全性と有効性を検討する目的で二重盲検試験期に引き続き非盲検にて行った結果で、著者は「タネズマブ10mgは、慢性腰痛の長期治療に有用と思われる」とまとめている。Pain誌オンライン版2014年6月14日号の掲載報告。
延長試験の対象は、タネズマブ10mg群321例、20mg群527例で、いずれも二重盲検試験期に引き続き、8週ごとに静脈内投与3回、皮下投与4回が行われた。
有効性の主要評価項目は、簡易疼痛調査票縮小版(BPI-SF)、ローランド・モリス障害質問票(RMDQ)および患者による全般評価(PGA)における各スコアの二重盲検試験期開始前からの変化量とした。
主な結果は以下のとおり。
・延長試験期の平均投与期間は10mg群194日、20mg群202日であった。
・有効性はいずれの評価項目も両群で同等であり、長期にわたり改善効果が維持されていた。
・最もよくみられた有害事象は、関節痛、感覚異常および感覚鈍麻であった。
・骨壊死様の有害事象が6例(10mg群2例、20mg群4例)、関節全置換術の施行が9例(10mg群7例、20mg群2例)報告されたが、独立判定委員会が盲検下で評価した結果、骨壊死と判定された症例はなかった。
(ケアネット)