米国コロラド大学のChristopher H Lieu氏らは、切除不能大腸がんの全生存(OS)や無増悪生存(PFS)において、年齢が予後予測因子となるかどうかを検討した。その結果、切除不能大腸がん患者では、若年齢と高年齢がOSとPFSの低さと関連し、若年者と高齢者が高リスク集団である可能性が示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2014年7月7日号に掲載。
著者らは、ARCAD(Aide et Recherche en Cancerologie Digestive)のデータベースより、1次治療の第III相試験24試験における18歳以上の大腸がん患者2万23例を抽出、分析した。年齢による影響、年齢・性別・全身状態(PS)・転移部位との相互作用について、治療アームで層別化されたCox比例ハザードモデルを使用して評価した。
主な結果は以下のとおり。
・患者の平均年齢は62歳、50歳以下は3,051例(15%)であった。
・単変量Coxモデルでは、OS(p<0.001)、PFS(p<0.001)のいずれにおいても年齢が予後予測因子であり、若年および高齢になるほどリスクが高いU字型を示した。
・リスクが最低となる年齢(OSでは57歳前後、PFSでは61歳前後)の患者と比較して、最も若い患者(18歳)では死亡リスク増加が19%(95%CI:7〜33%)、進行/死亡リスク増加が22%(95%CI:10~35%)であった。最も高齢の患者群(90歳)は死亡リスク増加が42%(95%CI:31~54%)、進行/死亡リスク増加が15%(95%CI:7~24%)であった。この関係は、追跡期間の初年度において顕著であった。
・多変量解析で、年齢は、PS・性別・各部位への転移の有無による調整後も、OSでは若干有意(p=0.08)、PFSでは有意なままであった(p=0.005)。
・年齢による影響は、転移部位、登録年、受けた治療、バイオマーカーの変異状態で差は認められなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)