カネボウ「白斑」発症メカニズムの一端を解明

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/07/16

 

 花王グループ・カネボウ化粧品は今月14日、日本皮膚科学会と共同で行った「白斑」症状の原因解明に関する研究結果を公表し、医薬部外品有効成分「ロドデノール」配合製品を使用して白斑が発症するメカニズムの一端を明らかにした。

 主な結果は以下のとおり。

・通常のメラニンは、チロシナーゼ酵素がチロシンと結合することで合成される。ロドデノールはこのチロシンに代わってチロシナーゼに結合することで、メラニンの合成を抑制する。
・今回、ロドデノールがチロシナーゼと結合することにより、「ロドデノール代謝物」が生成されることが判明した。また、このロドデノール代謝物が過剰に生成されると、細胞障害が生じることも明らかにされた。この代謝物が白斑を引き起こす要因になったとみられる。
・しかし、開発時の実験のロドデノール濃度では、細胞障害は確認されなかった。
・ロドデノールによる細胞障害が生じるまで実験を繰り返したところ、開発時の実験で行った約100倍の濃度で細胞障害が生じた。

 これらの結果を踏まえ、研究グループは、白斑がなぜ2%程度と特定の人で発症したのか、回復傾向に個人差があるのかなど、まだ解明していないことは多いとして、原因究明を続けている。

参考
カネボウ化粧品ホームページより(PDF)

(ケアネット 森 幸子)