新規抗精神病薬、高TG血症が高頻度 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/08/22 ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボ総合病院のBelma Sadibasic氏らは、抗精神病薬による脂質異常症の頻度を第二世代抗精神病薬と第一世代抗精神病薬で比較した。その結果、脂質異常症のなかで高トリグリセリド血症の頻度は第二世代抗精神病薬で有意に高頻度であったが、高コレステロール血症の頻度については有意差が確認されなかったことを報告した。Medicinski glasnik誌2014年8月号の掲載報告。 抗精神病薬による治療を受けている患者の脂質異常症(高トリグリセリド血症および高コレステロール血症)の頻度について、第二世代と第一世代の薬剤をレトロスペクティブに比較検討した。慢性精神病患者116例を、第二世代抗精神病薬による治療を受けている試験群(クロザピン、オランザピン、リスペリドン)と第一世代抗精神病薬による治療を受けているコントロール群(プロマジン、レボメプロマジン、ハロペリドール、フルフェナジン)の2群に分けた。各群の患者について、臨床検査値およびバイタルパラメーターをモニタリングした。 主な結果は以下のとおり。 ・平均トリグリセライド値は、試験群3.13mmol/L、コントロール群2.28mmol/Lであり、両群間で有意差が認められた(p=0.004)。 ・平均コレステロール値は、試験群6.12mmol/L、コントロール群5.85mmol/Lであり、両群間で有意差は認められなかった(p=0.239)。 ・平均年齢は、試験群49.6歳、コントロール群51.47歳であり、両群間で有意差は認められなかった(p=0.356) 。 ・脂質異常症のうち高トリグリセリド血症は、第一世代抗精神病薬と比較して第二世代抗精神病薬で高頻度であった。 ・脂質異常症のうち高コレステロール血症については、第一世代抗精神病薬と比較して第二世代抗精神病薬で有意に高頻度であることは証明されなかった。 関連医療ニュース 日本人統合失調症患者の脂質プロファイルを検証!:新潟大学 遅発性ジスキネジアが発現するD2受容体占有率は:慶應義塾大学 高力価vs低力価、有効性の違いは 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Sadibasic B, et al. Med Glas (Zenica). 2014; 11: 350-355. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 各種抗精神病薬のEPS発現を副作用データベースから分析 医療一般 日本発エビデンス(2017/01/26) トリグリセライドの新基準と適切なコントロール法/日本動脈硬化学会 医療一般(2022/12/28) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)