米国・UTHealth公衆衛生院のTortoleroSusan R氏らは、前思春期において、暴力的なビデオゲームを毎日することと、うつ病との関連を調べた。結果、両者間には有意な相関性があることが判明した。著者は、「さらなる検討で、この関連における因果関係を調査し、症状がどれほどの期間持続するのか、また根底にあるメカニズムと臨床的な関連性を調べる必要がある」と報告している。Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking誌オンライン版2014年7月9日号の掲載報告。
検討では前思春期において、ここ1年間に毎日、暴力的なビデオゲームを行っていたことと、うつ症状例増大との関連が認められるかを調べた。5,147人の小学5年生とその保護者から断面調査にて集めたデータを分析した。被験者は、米国3都市で行われたコミュニティベースの縦断調査Healthy PassagesのWave I(2004-2006)の参加者だった。
主な結果は以下のとおり。
・線形回帰分析の結果、暴力的なビデオゲームの接触と抑うつ症状が関連していることが認められた。性別、人種/民族、仲間いじめ(peer victimization)、暴力を目撃すること、暴力で脅されていること、攻撃性、家族構成、世帯所得で補正後も変わらなかった。
・「非常に暴力的(high-violence)なテレビゲームを1日2時間超する」と回答した児童では、「それほど暴力的ではない(low-violence)テレビゲームを1日2時間未満する」と回答した児童と比べて、抑うつ症状が有意に強いことが判明した(p<0.001)。
・この関連性の強さは小さかったが(Cohen's d=0.16)、人種/民族の全サブグループ、および男児で認められた(Cohen's d:0.12~0.25)。
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(ケアネット)