これまでに、GI(グリセミック指数、食後血糖値の上昇度を示す指標)の高い食品が良好な睡眠の質に関連することが報告されている。金沢医科大学の米山 智子氏らは、日本人男女の集団において、GI値の異なる3種類のデンプン食(米・パン・麺類)の摂取量および食事のGI値と睡眠の質との関連を調査した。その結果、高GI食と米の高摂取が良好な睡眠の質と有意に関連する一方、パン摂取量は睡眠の質と関連せず、麺類摂取量は低い睡眠の質と関連することが示された。著者らは、これらのデンプン食と睡眠の質における関連性の違いは、各食品のGI値の違いによると推測している。PLoS One誌2014年8月15日号に掲載。
本試験の参加者は20~60歳の1,848人の日本人男女で、米・パン・麺類の摂取量を自記式食事歴法質問票により評価した。睡眠の質はピッツバーグ睡眠質問票日本語版(PSQI-J)を用いて評価し、全体スコアが5.5より高い場合にpoor sleep(睡眠の質が低い)とした。
主な結果は以下のとおり。
・各デンプン食の摂取量の五分位でpoor sleepの多変量調整オッズ比(95%信頼区間)を算出したところ、最低五分位から順に、米では1.00(基準)、0.68(0.49~0.93)、0.61(0.43~0.85)、0.59(0.42~0.85)、0.54(0.37~0.81)であった(傾向のp=0.015)。一方、麺類では、1.00(基準)、1.25(0.90~1.74)、1.05(0.75~1.47)、1.31(0.94~1.82)、1.82(1.31~2.51)であった(傾向のp=0.002)。
・パンの摂取量は睡眠の質と関連していなかった。
・高GI食はpoor sleepのリスク低下と有意に関連していた(傾向のp=0.020)。
(ケアネット 金沢 浩子)