UV曝露によるビタミンD値の高さ、季節差は?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/10/09

 

 地方で暮らす人はUV曝露を過度に受け、皮膚がんリスクを増大する可能性がある。デンマーク・ビスペビヤ病院のM. Bodeker氏らは前向きコホート試験にて、農家の家族(屋外労働者の夫、屋内労働者の妻および子供)について、UV曝露を測定し、ビタミンD値を夏の終わりと同年の冬に測定した。結果、概してUV曝露は高かったが、冬場のビタミンD値は推奨値以下であったという。今回の結果について著者は、「UV曝露の違いは、ビタミンD値の違いに結びつかなかった」と述べている。Photochemical & Photobiological Sciences誌オンライン版2014年9月23日号の掲載報告。

 ビタミンD産生がUVBに依存することから、若干の太陽光を浴びることが推奨されている。

 研究グループはUV曝露とビタミンD値の関連について、UV曝露が高いと思われる農村部住民(屋外労働者の農夫、その屋内労働者の妻および子供)を対象に検討を行った。

 2009年夏の間、各人のUV曝露と天気の動向について、線量計測と日記により記録。夏の終わりと同年冬にビタミンD値を測定した。

 主な結果は以下のとおり。

・リスク行動(肩/上半身の太陽光曝露)、海水浴、日焼け止め使用、日焼けの頻度は、いずれも低かった。
・農夫と子供は、UV曝露値の最高日が仕事日においてであった(いずれも1.5 SED/日)。
・仕事日でない日のUV曝露も、高値であった(最高2.0 SED/日)。
・農夫、子供(男女児とも)は、妻と比べて慢性的にUV曝露を受けていた。妻はより間欠的にUV曝露を受けていた。
・一方で、ビタミンD値は家族間で差はみられなかった。
・夏の終わりにおいて、ビタミンD値が不足していた人は16%であり、冬場は61%であった。
・いくつかのUV曝露変数は、ビタミンD値と明らかに相関していたが、関連性は弱かった。

(ケアネット)