大腸がん患者において、血中循環腫瘍細胞(CTC)数で全生存期間(OS)を予測できるかどうか、関心が持たれている。イタリアのラ・サピエンツァ大学のAdriana Romiti氏らは、限局型および切除不能な大腸がん患者において、予後予測におけるCTC数の役割を検討した。その結果、大腸がん患者におけるCTCの存在は予後不良に関連することが認められた。Journal of gastrointestinal and liver diseases誌2014年9月号の掲載報告。
著者らは、組織学的に大腸がんと診断された患者を登録した。CTC数は、ベースライン時と化学療法開始1ヵ月後に、定量的免疫蛍光法を用いて測定し、末梢血7.5mLあたり2単位以上を陽性とした。
主な結果は以下のとおり。
・合計75例の大腸がん患者が登録され、stage I~IIIが54例、stage IVが21例であった。
・21例(28%)がベースライン時のCTCが陽性であり、陰性であった患者に比べ有意に予後不良と関連していた(OS:36.2ヵ月vs 61.6ヵ月、p=0.002)。
・患者の22.4%は化学療法後もCTCが陽性のままであり、OSの独立した予後因子であった(p=0.03、ハザード比:3.55、95%CI:1.1~11.5)。
(ケアネット 金沢 浩子)