オメプラゾールのメラニン阻害効果を確認

提供元:ケアネット

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公開日:2014/11/06

 

 米国・R&Dエスティローダー社のMary S Matsu氏らは、プロトンポンプ阻害薬(PPI)オメプラゾール(商品名:オメプラールほか)に、メラニン形成の減少効果があることを、仮説に基づくマウスとヒト皮膚モデルでの検証試験の結果、確認したことを報告した。Journal of Investigative Dermatology誌オンライン版2014年10月22日号の掲載報告。

 オメプラゾールは、消化性潰瘍や逆流性食道炎の治療で用いられるプロトンポンプ阻害薬(PPI)で、胃壁細胞のP-type H+/K+ ATPaseであるATP4Aを不可逆的に阻害することによって作用する。
 研究グループは、オメプラゾールおよび同種薬について、B16マウス黒色腫細胞とヒト表皮メラニン細胞、および再生ヒト皮膚モデルにおいて、μmol濃度でのメラニン形成を阻害することを発見した。

 主な所見は以下のとおり。

・UV照射を受けた被験者の皮膚にオメプラゾールを局所適用したところ、未治療コントロールと比較して、3週間後に有意な色素レベル低下が認められた。
・オメプラゾールは、精製されたヒト・チロシナーゼの活性への有意な阻害効果はみられなかった。また、チロシナーゼmRNA、dopachrome tautomerase(DCT)、Pmel17またはMITF mRNAへの有意な阻害効果もみられなかった。
・メラニン細胞がATP4Aを発現しないにもかかわらず、転移GolgiネットワークにおいてATP7Aを発現した。ATP7Aは、銅輸送P-type ATPaseで、発現はチロシナーゼにおける銅獲得の要求によるものであった。
・メラニン細胞での銅凝集増大に応じた転移Golgiネットワークから形質膜へのATP7A再局在化は、オメプラゾールによって阻害された。
・オメプラゾール治療は、EndoH感受性チロシナーゼの比率を増大した。これは、チロシナーゼ成熟を阻害したことを示すものである。
・加えてオメプラゾールは、分解を増大するシクロヘキシミドにおいて、チロシナーゼタンパク質量を減らした。

(ケアネット)