かゆみは腫瘍マーカーとなりうるのか?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/11/20

 

 そう痒(かゆみ)は、オカルトがん(occult cancer)のマーカーとなりうることを、デンマーク・オーフス大学病院のJohannesdottir S.A.氏らがデンマークの全国コホート研究の結果、報告した。がん患者は、かゆみを訴える頻度が高いが、かゆみが診断のついていないがんのマーカーとなるかについて大規模研究による検討はされていなかった。British Journal of Dermatology誌2014年10月号(オンライン版2014年9月28日号)の掲載報告。

 研究グループは、かゆみの診断(入院、外来、救急患者)とその後のがん診断との関連を調べることを目的に、デンマーク全国コホート研究を行った。1978~2011年にかゆみを診断された全患者(1万2,813例)を医療記録から特定し、初回がん診断、移住、死亡または2011年12月31日まで追跡した。

 がん標準化罹患率比(SIR)を計算し、全国がん発生率に基づき予想されるがん発生数を観察した。また、死亡に匹敵するリスクとして、がんの1年絶対リスクを算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・がんの全SIRは、1.13(95%信頼区間[CI]:1.07~1.20)であった。男性は1.22(同:1.13~1.33)、女性は1.05(同:0.97~1.14)であった。
・SIRは、皮膚病歴がある患者では1.20(95%CI:1.08~1.33)、ない患者では1.10(同:1.02~1.18)であった。
・全体的に、最も高いSIRは追跡調査の最初の3ヵ月間に観察された。そして、その後は急速に低下した。
・がん診断の1年絶対リスクは1.63%であった。
・かゆみを有した患者155例を検査するごとに1例のがんが検出されると試算された。
・以上から、かゆみはオカルトがんのマーカーとなりうることが示唆された。さらなる研究により、かゆみを有した患者へのがんスクリーニングがもたらす予後の有益性について評価を行う必要がある。

(ケアネット)