美容師が染毛剤を使用するときの一般的な保護手袋の多くは、アレルギー性接触性皮膚炎の予防に十分でないことが、スウェーデン・ルンド大学のAntelmi氏らにより報告された。Contact Dermatitis誌オンライン版2014年11月19日掲載報告。
背景
染毛剤の使用により、美容師はパラフェニレンジアミンなどのアレルゲンに触れることがある。しかし、それによる接触性皮膚炎などの予防は十分ではなかった。
目的
美容師が広く用いている保護手袋の、アレルゲンに対する予防効果を
in vivoで検討する。
方法
●スウェーデン、イタリア、ドイツから集められた6種類の手袋を調査した。それらの材質は、ビニールとニトリルゴムがそれぞれ2種類ずつ、天然ゴムラテックスとポリエチレンがそれぞれ1種類ずつであった。
●試験に用いられた染毛剤は、パラフェニレンジアミンを含有する暗い色合いのもので、過酸化水素と混合された。
●パラフェニレンジアミンに感作している8名のボランティアが手袋を装着し、染毛剤に15分、30分、60分触れた時点の皮膚のパッチテストを行った。
結果
●湿疹は、天然ゴムラテックス、ポリエチレン、ビニールの手袋で発現した。
●ニトリルゴムの手袋は60分後であっても保護効果は良好であった。
●美容師が染毛剤を使用するときの一般的な保護手袋の多くは、アレルギー性接触性皮膚炎の予防に不適と考えられる。
(ケアネット 森 幸子)