強い疼痛を有するほど、腰部脊柱管狭窄症(LSS)の術後における腰痛、下肢痛および機能の改善は低いことが、韓国・ソウル大学のKim, Ho-Joong氏らによる前向き観察の研究の結果、明らかにされた。結果を踏まえて著者は、「痛みの質問票(PSQ)は、LSS術後アウトカムを予測するのに有用と思われる」とまとめている。Spine誌オンライン版2014年11月7日号の掲載報告。
研究グループは、LSS患者の術後アウトカムへの痛みの影響を評価する検討を行った。これまでの検討では、LSS術後アウトカムとPSQスコアとの間の検討は行われていなかった。
PSQスコアに基づき、患者を低スコア群(6.5未満)または高スコア群(6.5以上)に割り付けて、術後12ヵ月時点のOswestry Disability Index(ODI)を主要アウトカムに評価を行った。
主な結果は以下のとおり。
・PSQ低スコア群は87例、高スコア群は84例であった。
・術後12ヵ月時点のODIは、PSQ高スコア群よりも低スコア群で有意に低下した。
・同時点のODIスコアは、PSQ低スコア群21.1(95%信頼区間[CI]:16.8~25.5)、高スコア群29.6(同:25.0~34.1)で、群間差は3.2(同:-14.7~-2.2)であった(p=0.009)。
・副次エンドポイントについて、ODIと視覚アナログスケール(VAS)スコア(腰痛、下肢痛)は、PSQ群間で有意な差が認められた(ODI、腰痛VASスコア、下肢痛VASスコアのいずれもp<0.001)。
・一方で、上記評価期間中のODIとVASスコア(腰痛・下肢痛)の変化のパターンについて、PSQ群間で有意な差はみられなかった(PSQ群とフォローアップ評価時点との相互作用のp値は、ODI:p=0.757、腰痛VASスコア:p=0.126、下肢痛VASスコア:p=0.950)。
(ケアネット)