セリアック病とグルテンフリー食実践者の関連に人種差?

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/03

 

 米国・メイヨークリニックのRok Seon Choung氏らは、米国・国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いた横断研究を行い、セリアック病の有病率や人種差といった特色などを調べた。その結果、1988年から2012年の間で同罹患患者は増加しており、白人でより顕著であることを明らかにした。また、グルテンフリー食を実践し続けている人の多くは黒人で、セリアック病と診断されてはいないことも明らかにした。American Journal of Gastroenterology誌オンライン版2015年2月10日の掲載報告。

 研究グループは、1988~1994年、1999~2004年、2009~2012年の米国・全国健康栄養調査(NHANES)のデータを用い、一般成人集団(入院・入所者を除く)におけるセリアック病の有病率や、セリアック病有病者および非セリアック病でグルテンフリー食実践者の人種差について分析した。

 NHANES参加者におけるセリアック病の有無については抗組織トランスグルタミナーゼIgAやIgA抗筋内膜抗体などの血清学的検査を行い、グルテンフリー食の実践に関してはインタビュアーによるアンケート調査で情報を得た。

 主な結果は以下のとおり。

・2009~2012年のNHANESにおいて、セリアック病の有病率は、非ヒスパニック系白人(1.0%)が非ヒスパニック系黒人(0.2%)およびヒスパニック系(0.3%)より有意に高かった(p<0.0001)。
・一方、非セリアック病でグルテンフリー食実践者の割合は、黒人(1.2%)がヒスパニック系(0.5%)および白人(0.7%)より有意に高かった(p=0.01)。
・50歳以上におけるセリアック病の血清陽性率は、1988~1994年の0.17%(95% CI;0.03~0.33)から、2009~2012年には0.44%(95% CI;0.24~0.81)に増加していた(p<0.05)。

(ケアネット)