喫煙はさまざまな炎症性皮膚疾患に影響することが知られている。ドイツ・イエナ大学のJudit Lukacs氏らは、喫煙と手の皮膚炎との関連を調べるためシステマティックレビューを行った。今回、喫煙が手の皮膚炎の危険因子であることは示されなかったが、喫煙が手の皮膚炎に関与する可能性が除外されたわけではなく、著者は「依然として喫煙が皮膚疾患の経過に負の影響を及ぼす可能性はある」とまとめている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2015年2月4日号の掲載報告。
研究グループは、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register(CENTRAL)を用い、1980年1月1日~2013年12月31日に研究が行われた英語およびドイツ語の論文を検索し評価した。
主な結果は以下のとおり。
・コホート研究1件および横断研究2件の計3件、手の皮膚炎患者4,113例、手の皮膚炎を有していない対照者3万4,875例が本レビューに組み込まれた。
・これらは、一般集団および高リスク集団(パン屋、美容師、歯科技工士など)における手湿疹に関する危険因子を調査したもので、1件のみ、喫煙と手の皮膚炎との有意な関連が示されていた。
・メタ解析の結果、喫煙と手の皮膚炎との関連は確認されなかった(OR:0.99、95%CI:0.88~1.11)。
・なお対象とした研究は不均一性が高く(I2=72%)、3件のうち2件の大規模研究は同じ国で行われたものであった。
(ケアネット)