双極性障害患者は、平均余命が11~20年短縮することが報告されている。この計算は、個人の15歳時データに基づいており、それ以降に双極性障害を発症した多くの患者の誤解を招く可能性がある。デンマーク・コペンハーゲン大学のLars Vedel Kessing氏らは、異なる年齢の双極性障害患者における平均余命の計算を行った。Bipolar disorders誌オンライン版2015年4月4日号の報告。
双極性障害患者の平均余命が大幅に短縮
1970~2012年にデンマークのすべての精神科病院に入院または外来通院している全患者の全国レジスタを用い、2000年に生存していた患者について、15~75歳まで10歳刻みでの平均余命を計算した。
異なる年齢の双極性障害患者における平均余命の計算を行った主な結果は以下のとおり。
・25~45歳の標準的な双極性障害患者における平均余命は、男性で12.0~8.7年、女性で10.6~8.3年短かった。
・双極性障害患者と一般集団の平均余命比は、年齢とともに低下しており、これは双極性障害が若年または中年期における余命期間の減少開始に影響していることが示唆された。
・双極性障害患者の平均余命は、以前報告された程度ではないものの、大幅に短縮していた。
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(ケアネット 鷹野 敦夫)