味噌汁・漬物を減らせば減塩できるか

日本人一般集団において、味噌汁・漬物の摂取を控えることは、減塩のアプローチとして効果的だが、これは80~90代には当てはまらないことが、新潟大学の若杉 三奈子氏らによる研究で明らかになった。Internal medicine誌オンライン版2015年4月15日号の報告。
食事の食塩摂取量を減少させるために、味噌汁と漬物の摂取を減らすことが推奨されている。しかし現在、日本人の食生活は欧米化しており、味噌汁や漬物をかつてほど頻繁に消費していない。よって、味噌汁・漬物のナトリウム摂取による影響を、あらためて検証した。
本研究では、新潟県佐渡市で2013年に健康診断を実施した8,821人(男性3,956人、女性4,865人;19~97歳)の結果データを用いて、味噌汁・漬物の摂取頻度と、推定24時間尿中ナトリウム排泄量との関連を検討する断面研究を行った。毎日の食塩摂取量のレベルは、スポット尿中のナトリウムおよびクレアチニン測定値に基づいて推定した。味噌汁と漬物の摂取頻度は自己申告のアンケートを用いて決定した。関連性は、多重線形回帰モデルを用いて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・1日あたりの平均塩分摂取量は9.4gであった。
・味噌汁と漬物の摂取頻度は年齢とともに増加し、1日の食塩摂取量のレベルと関連する傾向が認められた(傾向のp<0.0001)。
・年齢、性別、BMI、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、慢性腎臓病で調整した線形回帰モデル分析の結果、80歳以上を除く全年齢層における1日の食塩摂取量は、味噌汁(p<0.0001)および漬物(p<0.0001)の摂取頻度と関連が認められた。
・以上のことから、味噌汁・漬物の摂取頻度の減少は、一般的な日本人集団における食塩摂取量を減少させるためのアプローチとして効果的であるが、80歳以上の人には効果的ではないことが示唆された。
(ケアネット 武田 真貴子)
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