若者の新型うつ病へのアプローチとなりうるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/05/12 日本では、とくに若者の間で「新型うつ病」や「ひきこもり(6ヵ月以上持続している重度の社会的なひきこもり)」と表現される新たな精神医学的事象が報告されてきている。信頼ゲームと呼ばれる経済ゲームが現実社会における対人関係の評価に利用できることから、早稲田大学高等研究所の渡部 幹氏らは、大学生を対象に予備的研究を行った。その結果、信頼行動が精神医学的評価スケールと関連していることを報告した。著者は、「新型うつ病やひきこもり等の人々における経済ゲームの妥当性が研究されるべきである」とまとめている。PLoS One誌オンライン版2015年4月2日号の掲載報告。 研究には、日本人大学生81人が参加した。ゲームの相手40人の写真を提示した後に、その写真を参考にお金をいくら提供するかを決定してもらい、Lubben Social Network Scale(LSNS)-6およびPatient Health Questionnaire(PHQ)-9を含む7つの評価スケールに回答してもらった。 結果は以下のとおり。 ・先行研究と同様に、男子学生のほうが女子学生よりも相手を信頼した。 ・回帰分析の結果、男子学生ではLSNS-6の「家族」(家族からのサポートの認知)が、女子学生ではPHQ-9の項目8(主観的な焦燥性興奮や遅延)が、それぞれの信頼行動と関連していた。 ・男子学生において、家族からのサポートは家族以外の人への協力行動と、負の相関を示した。これは社会科学者の主張と一致した。 ・主観的な焦燥性興奮(および/または遅延)がより強い女子学生は、対人関係において魅力が少ない女性に対してよりも、男性およびより魅力的な女性に対してお金をあまり提供しなかった。 関連医療ニュース 若年者への抗精神病薬使用、93%は適応外処方 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか? 若年男性のうつ病予防、抗酸化物質が豊富な食事を取るべき 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Watabe M, et al. PLoS One. 2015;10:e0120183. eCollection 2015. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 遺伝性網膜変性症、CRISPR-Cas9遺伝子治療が有望/NEJM(2024/05/20) 未治療MCL、免疫化学療法+イブルチニブ±ASCT(TRIANGLE)/Lancet(2024/05/20) 早期再発TN乳がんへのアテゾリズマブ上乗せ、予後を改善せず(IMpassion132)/ESMO BREAST 2024(2024/05/20) 片頭痛患者における睡眠障害併存が中枢性感作に及ぼす影響(2024/05/20) 少し高い血圧でも脳・心血管疾患のリスクは2倍/横浜市大(2024/05/20) 減量の鍵は摂取時間帯の制限ではなく摂取カロリーの減少(2024/05/20) 尿検査で前立腺がん生検スキップの可否を判定(2024/05/20) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25) ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~(2014/05/15) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)