喫煙は人工股関節全置換術後合併症の有意なリスク因子

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2015/05/12

 

 喫煙は人工股関節全置換術(THA)後にインプラント関連合併症の頻度を増加させる可能性があるとの報告が増えてきている。ドイツ・ハノーバー医科大学のSongsong Teng氏らは、メタ解析にてその関連を調べた。結果、喫煙はTHA後の無菌性のゆるみ、深部感染症および再置換術のリスク増加と関連していることを報告した。PLoS One誌オンライン版2015年4月24日号の掲載報告。

 研究グループは、THA後のインプラント関連合併症のリスクと喫煙との関連を定量的に評価する目的で、2014年8月15日までに発表された論文をPubMed、EMBASEおよびCochrane libraryにて検索した。

 該当した6件のコホート研究(合計8,181例)についてメタ解析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・喫煙歴のない患者と比較して、喫煙者では無菌性のゆるみ(要約リスク比[RR]:3.05、95%信頼区間[CI]:1.42~6.58)、深部感染症(要約RR:3.71、95%CI:1.86~7.41)およびあらゆる原因による再置換術(要約RR:2.58、95%CI:1.27~5.22)のリスクが有意に増加することが認められた。
・脱臼のリスク(要約RR:1.27、95%CI:0.77~2.10)、在院期間(加重平均差:0.03、95%CI:-0.65~0.72)については、有意差はみられなかった。

(ケアネット)