米国・ロズウェルパークがん研究所のKatharine A Dobson Amato氏らは、同研究所の肺がん患者における禁煙パターンの特徴、および禁煙と生存率との関連を調査した。その結果、肺がんと診断された患者において、禁煙によって全生存期間が延長する可能性を報告した。Journal of thoracic oncology誌オンライン版2015年6月20日号に掲載。
この研究所を受診した肺がん患者について、標準化された喫煙評価でスクリーニングし、過去30日以内に喫煙した患者には、自動的に禁煙電話サービスが紹介された。2010年10月~2012年10月にこのサービスを紹介されたすべての肺がん患者について、電子カルテとロズウェルパークがん研究所の腫瘍登録を介して、人口統計的情報や臨床情報、および最終コンタクト時の自己申告による喫煙状況を取得した。禁煙およびその他の要因が2014年5月までの生存と関連するかを評価するために、記述統計とCox比例ハザードモデルを使用した。
主な結果は以下のとおり。
・禁煙サービスを紹介された388例の肺がん患者のうち313例に、禁煙コールが試行された。
・そのうち80%の患者(313例中250例)にコンタクトでき、これらの患者は少なくとも1回の電話による禁煙指導を受けた。
・コンタクトできた患者のうち40.8%(250例中102例)は、最終コンタクトで禁煙したことを報告した。
・年齢、喫煙歴(pack-year)、性別、ECOG performance status、診断から最終コンタクトまでの期間、腫瘍の組織、臨床ステージによる調整後、禁煙は、最終コンタクトで継続的に喫煙していた場合と比べ、統計的に有意な生存期間の延長と関連した(HR 1.79、95%信頼区間:1.14~2.82)。また、全生存期間中央値は9ヵ月改善した。
(ケアネット 金沢 浩子)