カフェインおよびカフェイン入りコーヒーを摂取する量が多いほど、メラノーマの発症リスクが減少する可能性が、米国・ハーバード大学医学部のShaowei Wu氏らによって報告された。Epidemiology誌2015年7月10日掲載の報告。
カフェインはこれまで、紫外線誘発性の発がんを抑制すること、メラノーマ細胞の成長を抑制することが示唆されていた。Wu氏らはカフェイン摂取、コーヒー消費とメラノーマ発症リスクについて調査するため、3つの大規模コホート試験を調査した。
調査に用いられた試験は、1991~2009年のNurses' Health Study II(女性、8万9,220例)、1980~2008年のNurses' Health Study(女性、7万4,666例)、1986~2008年のHealth Professionals Follow-up Study(男性、3万9,424例)であった。
Cox比例ハザードモデルを用いて、メラノーマと食物摂取の関連について95%信頼区間とハザード比を調査した。
主な結果は以下のとおり。
・調査は400万人年超のフォローアップ中、2,254例のメラノーマ患者が特定された。
・カフェイン摂取量は393mg/day以上と、60mg/day未満で比較を行った。
・リスク因子による補正後、カフェイン総摂取量が多い群ではメラノーマ発症リスクが少なかった(HR=0.78、95%CI=0.64~0.96、傾向のp=0.048)
・この相関は女性のほうが男性よりも顕著であった(女性:HR=0.70、95%CI=0.58~0.85、傾向のp=0.001、男性:HR=0.94、95%CI=0.75~1.2、傾向のp=0.81)。
・カフェイン摂取量が多い群では、高頻度で日光に暴露されている部位のメラノーマ発症が少なく(頭部、首、四肢:HR=0.71、95%CI=0.59~0.86、傾向のp=0.001)、日光暴露が少ない部位(肩、背中、臀部、腹部、胸部:HR =0.90、95%CI =0.70~1.2、傾向のp=0.60)よりも顕著であった。
・上記の相関は、カフェイン入りコーヒー摂取量では同様の結果を示した一方、カフェイン抜きコーヒーの摂取量ではみられなかった。
(ケアネット 森 幸子)