夜間高血圧と関節リウマチ(RA)の全身性炎症はともに独立した心血管疾患の予測因子であるが、夜間高血圧と関節リウマチの疾患活動性にどんな関連があるのかは、ほとんど知られていない。
そこで、大阪市立大学の濱本 佳恵氏らは71例のRA患者に対して24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を行い、夜間血圧の下降度合いと関節リウマチの疾患活動性について関連性を調査した。さらに71例のうち、同意が得られた25例について、4週間のリウマチ治療介入後に夜間血圧の下降度合いが改善したかどうか評価するためにABPMを再度行った。
その結果、関節リウマチの疾患活動性が高いほど夜間血圧の下降度合いが小さいことがわかった。
主な結果は以下のとおり。
・71例のDAS28-CRPは4.8±1.6、夜間血圧の下降度合いは5.6±8.9%。
・DAS28-CRPは夜間血圧の下降度合いと有意かつ独立して逆相関している
(標準偏回帰係数β=-0.388、p=0.004)。
・25例のDAS28-CRPはリウマチ治療介入後5.4±1.1から3.5±0.8(p<0.0001)と有意に下降した。
・夜間収縮期血圧は121.2±22.5mmHgから112.5±18.8mmHg(p=0.02)と有意に下降し、夜間血圧の降下度合いは4.5±9.2%から10.6±5.8%(p=0.002)と有意に上昇した。
・日中の血圧とは無関係であることがわかった。
(ケアネット 有田衣里)