中等症~重症のアトピー性皮膚炎(AD)に対する治療は不適切であることが多い。米国・エール大学のLauren L. Levy氏らは、こうした患者に対して経口ヤヌスキナーゼ阻害薬トファシチニブの投与を試みた。その結果、症例数が非常に少なく対照群が設定されていないなど限界はあるものの、中等症~重症ADの治療にトファシチニブが有用である可能性が示唆されたという。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2015年7月17日号の掲載報告。
対象は標準治療に抵抗性の中等症~重症AD連続患者6例で、トファシチニブによる治療を行い、効果をSCORAD(Scoring Atopic Dermatitis)indexにて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・全例において、皮膚炎のある体表面積の減少、ならびに紅斑・浮腫・苔癬化・擦過傷の軽減が観察された。
・8~29週の治療によりSCORADは36.5から12.2へ66.6%減少した(P<0.05)。
・有害事象はみられなかった。
(ケアネット)