アルコール摂取とがんリスク、用量依存的に関連

提供元:ケアネット

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公開日:2015/10/14

 

 長期間のアルコール摂取が、女性の乳がん、上部気道消化管(UADT)がん、大腸がんのリスクと用量依存的に関連していることを、オーストラリア・メルボルン大学のHarindra Jayasekara氏らが、システマティックレビューとメタ解析により明らかにした。Alclhol and Alclholism誌オンライン版2015年9月22日号の掲載報告。

 乳がん、UADT(口腔、咽頭、喉頭、食道)がん、大腸がんと、アルコール消費量には因果関係がある。アルコールの消費量は一生の間で変化するものだが、生涯のアルコール消費量や経年的な摂取量を明確に測定した試験をまとめた研究はほとんどなかったことから、著者らは、システマティックレビューとメタ解析による検討を行った。

 試験は、Medline、CINAHL(看護学文献データベース)とScopusデータベースをソースとし、2015年1月までを検索範囲とした。対象には、乳がん、UADTがん、大腸がんに対する経年的なアルコール消費量に関して、定量的に定義されたカテゴリーの相対リスク(RR)を報告している試験が選択された。アルコール摂取量と各がんの用量反応関係を評価するために、2段階ランダム効果メタ解析を用いた。各RRは最低摂取群と比較した最高摂取群のRRを計算した。

 主な結果は以下のとおり。

・乳がんの論文16本、UADTの論文16本、大腸がんの論文7本が、適格基準を満たした。

・乳がんで弱い非線形の用量依存関係が、UADTと大腸がんで正の線形用量依存関係が認められた。

・プールRRは、乳がんで1.28(95%信頼区間[CI]:1.07~1.52)、UADTで2.83(95%CI:1.73~4.62)、口腔がん、咽頭がんで4.84(95%CI:2.51~9.32)、喉頭がんで2.25(95%CI:1.49~3.42)、食道がんで6.71(95%CI:4.21~10.70)、大腸がんで1.49(95%CI:1.27~1.74)であった。

(ケアネット 佐藤 駿介)