加齢黄斑変性に伴う脈絡膜新生血管の治療において、ベバシズマブ硝子体内投与(IVB)による初期の視力改善効果は、5年後には維持されていなかったことを、米国・ジョンズホプキンス大学 J. Fernando Arevalo氏らPan-American Collaborative Retina Study Groupが発表した。247例の後ろ向き症例シリーズによる報告で、IVBは地図状萎縮の発症または進行に関与している可能性も示唆されたという。Retina誌オンライン版2015年11月2日の掲載報告。
研究グループは、加齢黄斑変性続発性の中心窩下脈絡膜新生血管と診断され、IVB 1.25mgを1回以上行った連続247例(292眼)を5年以上追跡し、治療前および治療後受診時の最高矯正視力(BCVA)(スネレン視力表による)、光干渉断層計(OCT)検査および検眼鏡検査所見を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・1眼当たりの平均注入数は、10.9±6.4回であった。
・BCVAは、ベースライン時20/150(logMAR 0.9±0.6)から、5年後は20/250(logMAR 1.1±0.7)に低下した(p≦0.0001)。
・平均中心窩網膜厚(CMT)は、治療前343.1±122.3μmから、5年後は314.7±128.8μmに減少した(p=0.009)。
・地図状萎縮は、治療前292眼中47眼(16%)で観察されたが、5年後には292眼中124眼(42.5%)に発症または拡大を認めた(p<0.0001)。
(ケアネット)