双極性障害と強迫症、併存率が高い患者の特徴

双極性障害と強迫症の併存は小児期・思春期および双極I型障害患者に多いことが、イタリア・パルマ大学のA. Amerio氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかにされた。ただし、著者らは、本研究の限界として「ほとんどの研究は、真の自我異和的な強迫観念と抑うつ的な反芻の区別において感度の低い後ろ向き評価尺度を使用しているため、強迫症状の有病率を過大評価する方向へバイアスが生じている可能性がある」と述べている。Journal of Affective Disorders誌2015年11月1日号の掲載報告。
双極性障害と不安症の併発については最近、調査が行われたが、双極性障害と強迫症の併発に関する研究は不十分なままであった。双極性障害と強迫症の併存率と予測因子を明らかにすることは、疾病分類学においても臨床・治療のうえでも重要な意味を持つ。研究グループは、2015年3月30日までに発表された関連論文を、電子データベース(MEDLINE、Embase、PsycINFO、Cochrane Library)を用いて検索し、システマティックレビューならびにメタ解析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・論文46本が選択基準を満たした。
・双極性障害における強迫症の有病率は17.0%(95%信頼区間[CI]:12.7~22.4%)、強迫症における双極性障害の有病率は18.35%(95%CI:13.2~24.8%)で、ほぼ同等であった。
・双極性障害患者における強迫症の有病率が低いことの予測因子は平均年齢が高いことであった。
・サブグループメタ解析において、双極性障害患者において強迫症の併存率が高かったのは、小児・思春期[24.2%(vs.成人13.5%)]、双極I型[24.6%(vs.混合状態13.6%)]、住民ベース研究[22.2%(vs.病院ベースの研究13.2%)]であった。
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