アトピー性皮膚炎(AD)のリスク因子と、免疫炎症性因子(免疫グロブリンE(IgE)およびインターロイキン(IL)-4、IL-18)の中国におけるAD有病率の関係を明らかにすることを目的とした出生コホート研究が中国で行われた。Molecular and Cellular Probes誌オンライン版2016年3月31日号の掲載報告。
幼児ADのリスク因子を評価するため、合計921組の母親-新生児ペアを2009~11年の間に実施したアンケート調査から登録した。静脈血は母親から出産入院中に、臍帯血は出産時に採取した。幼児AD-母親のペア35組をAD患者群、ランダムに選択した非ADペア35組をコントロール群とした。酵素免疫測定法(ELISA)でIgE、IL-4、およびIL-18値を検出し、AD有病率との関係を検討した。アレルギーのリスク因子は、IgE 陽性例で評価された。
主な結果は以下のとおり。
・家族収入、親のアトピー既往歴、初潮年齢、妊娠前の住宅リフォーム、妊娠中のウイルス感染、妊娠中のカルシウム補給が幼児ADの発症率を決定する要因となる可能性がある。
・コントロール群と比較して、AD患者群で母体血清と臍帯血のIgEとIL-4値がより高いレベルを示した(p<0.01)。
・AD症例において、IL-8は母体血清中でのみ増加した(p<0.01)。
・イエダニのアレルゲン、ヨモギ花粉、真菌胞子は、IgE陽性AD発生のリスク因子であった。
(ケアネット 常盤 真央)