糖尿病網膜症の発症、血清リポ蛋白(a)値と関連

提供元:ケアネット

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公開日:2016/04/29

 

 リポ蛋白(a)(Lp(a))は、主に心血管疾患発症の予測因子と考えられている。先行研究では、Lp(a)と糖尿病性細小血管合併症は関連している可能性が示された。韓国カトリック大学のJae-Seung Yun氏らは、2型糖尿病患者を対象とした前向きコホート研究を行い、糖尿病網膜症は血清Lp(a)値と関連していることを明らかにした。Journal of Clinical Lipidology誌2016年3・4月号(オンライン版2016年1月7日号)の掲載報告。

 研究グループは、糖尿病網膜症を合併していない2型糖尿病患者連続787例を登録し、前向きに追跡して糖尿病網膜症の発症率と危険因子を調査した。

 網膜症の評価は眼科医が毎年行った。主要評価項目は、糖尿病網膜症の新規発症であった。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値は11.1年であった。
・糖尿病網膜症を発症した患者群は、糖尿病罹病期間が長く(p<0.001)、ベースラインのHbA1c値が高く(p<0.001)、蛋白尿の程度が高く(p=0.033)、血清Lp(a)値が高かった(p=0.005)。
・性別、年齢、糖尿病罹病期間、高血圧の有無、腎機能、LDLコレステロール値、平均HbA1c値、および薬物療法で調整後、糖尿病網膜症の発症は血清Lp(a)値と有意に関連した(Lp(a)の第4四分位値 vs.第1四分位値のハザード比[HR]:1.57、95%信頼区間[CI]:1.11~2.24、p=0.012)。
・血清Lp(a)値の四分位範囲が最高かつ平均HbA1c値≧7.0%の患者群は、両者が低い患者と比較して糖尿病網膜症発症のHRが5.09(95%CI:2.63~9.84、p<0.001)であった。

(ケアネット)