減塩のための戦略の1つに、日々の食塩摂取量を減らす必要性に関する意識の向上がある。今回、主婦に対する、減塩に焦点を当てた料理教室によって、主婦だけでなく家族の食塩摂取行動にも影響することが、福島県立医科大学白河総合診療アカデミーの高田 俊彦氏らの研究で示唆された。Public health誌オンライン版2016年8月11日号に掲載。
本研究は、単盲検クラスター無作為化比較試験で、減塩に焦点を当てた料理教室への参加(介入群)もしくは健康的な生活習慣に関する講義への参加(対照群)に、主婦を無作為に割り付けた。主なアウトカム指標は、介入2ヵ月後の主婦および家族の随時尿による推定1日食塩摂取量の差である。
主な結果は以下のとおり。
・主婦35人と家族33人が参加した。
・ベースラインでの平均食塩摂取量は、対照群(主婦17人と家族15人)では10.00g/日(標準偏差[SD]:1.75)、介入群(主婦18人と家族18人)では9.57g/日(SD:2.45)であった。
・介入2ヵ月後の平均食塩摂取量は、対照群では10.30g/日(SD:1.78)、介入群で8.95g/日(SD:2.45)であった。
・平均差は-1.19g/日(95%信頼区間:-2.29~-0.09、p=0.034)であった。
・主婦と家族のサブグループで、同様の傾向が認められた。
(ケアネット 金沢 浩子)