毛孔性紅色粃糠疹の発症にCARD14遺伝子変異が関与

提供元:ケアネット

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公開日:2016/11/11

 

 毛孔性紅色粃糠疹(PRP)は炎症性角化症の1つであるが、発症機序はわかっていない。名古屋大学医学部皮膚科助教の武市 拓也氏らは、CARD14遺伝子に着目して研究を行い、PRP V型(家族性および散発性)はCARD14遺伝子変異に起因している可能性があることを突き止めた。JAMA Dermatology誌オンライン版2016年10月19日号掲載の報告。

 研究グループは、PRP患者のCARD14遺伝子変異保有率を調べ、どのようなPRPサブタイプ(病型)がCARD14遺伝子変異と関連があるのかを明らかにする目的で、全国からさまざまな病型のPRP患者22例(男性12例、女性10例、平均年齢26歳)を集積した。

 全例で、ゲノムDNAにおけるCARD14の全コード領域の配列を解析し、各変異の病原性をいくつかの計算による予測によって評価するとともに、臨床的特徴を詳細に分析した。

 主な結果は以下のとおり。

・PRP V型の3例全例で、CARD14遺伝子変異を同定した。
・そのうち1つは以前報告されていた変異(p.Gly117Ser)であったが、2つは新規変異(p.Cys127Ser、p.Gln136Leu)で、他の病型には認められなかった。
・同定されたすべての変異が、これまでに報告されていたCARD14の病原性ドメイン近傍にあった。
・コンピュータによる解析の結果、3つの変異はすべて病原性と機能的に関連していることが示唆された。
・PRP V型の3例全例が、典型的特徴に加え、特徴的な斑状の褐色色素沈着が認められた。
・PRP I型1例およびIV型1例は、CARD14のまれな遺伝子変異を有していた。

(ケアネット)