境界性パーソナリティ障害の自殺リスク、ポイントは睡眠の改善か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/01/17 境界性パーソナリティ障害(BPD)患者の睡眠状態を英国・ウォーリック大学のCatherine Winsper氏らが調査した。Neuroscience and biobehavioral reviews誌オンライン版2016年12月15日号の報告。 BPD患者の客観的および主観的な睡眠特性結果を組み合わせるためのメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・1980~2105年12月までに公表された32件の研究を特定した。 ・メタ解析では、客観的な睡眠持続性(睡眠潜時、総睡眠時間、睡眠効率)、睡眠構築(REM潜時、REM 密度、徐波睡眠)の評価、自己報告の睡眠問題(悪夢、睡眠の質)について、BPD群と健常対照群で有意な差が示された。 ・所見は、うつ病および向精神薬併用と無関係であった。 ・BPD群と臨床コントロール(大多数がうつ病)群との間に有意な差はほとんど認められなかった。 著者らは「BPDでは、うつ病と同様の睡眠障害との関連が認められた。この睡眠障害は、うつ病併存に起因するわけではなかった。睡眠障害が、情動調節不全や自殺リスクを悪化させる可能性があるとのエビデンスが増加したことを考慮すると、BPDの治療では、睡眠問題に取り組むべきであることが明確となった。」としている。 関連医療ニュース 境界性パーソナリティ障害患者の自殺行為を減少させるには 境界性パーソナリティ障害と睡眠障害は密接に関連 境界性人格障害患者の自殺予防のポイントはリハビリ (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Winsper C, et al. Neurosci Biobehav Rev. 2016 Dec 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 若者の摂食障害や境界性パーソナリティ障害の特徴やリスク因子 医療一般(2023/09/14) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] DES留置後1年以上の心房細動、NOAC単剤vs.NOAC+クロピドグレル併用/NEJM(2025/12/12) 妊娠中の体重増加と母体および新生児の臨床アウトカムの関連/BMJ(2025/12/12) ウォートンゼリー由来間葉系幹細胞の冠動脈内注入は心筋梗塞後の心不全を予防するかもしれない(解説:原田和昌氏)(2025/12/12) ER+/HER2-早期乳がん術後ホルモン療法、giredestrant vs.標準治療(lidERA)/SABCS2025(2025/12/12) ベンゾジアゼピンの使用は認知症リスクにどの程度影響するのか?(2025/12/12) 小児期の肥満は成人後に診療数が多くなる(2025/12/12) AIモデルが臓器ドナーの死亡タイミングを予測(2025/12/12) 脂肪由来の幹細胞が脊椎圧迫骨折の治癒を促進(2025/12/12) アトピー性皮膚炎患者に最適な入浴の頻度は?(2025/12/12) [ あわせて読みたい ] 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11)