若者の摂食障害や境界性パーソナリティ障害の特徴やリスク因子

提供元:ケアネット

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公開日:2023/09/14

 

 境界性パーソナリティ障害(BPD)と摂食障害は、併発リスクが高いが、両疾患に共通する症状の経過と関連するリスクについては、よくわかっていない。英国・ウォーリック大学のKirsty S. Lee氏らは、若者の地域サンプルにおける症状のジョイントトラジェクトリー、時間的優先順位、リスク因子、人口寄与割合(PAF)について、発達精神病理学的および心理社会学的観点より調査を行った。その結果、若者の摂食障害とBPDの一時性、リスク、スクリーニング、治療に関連するいくつかの新規かつ臨床的に関連性のある所見が特定された。Development and Psychopathology誌オンライン版2023年8月17日号の報告。

 14~18歳の若者におけるBPDの特徴および摂食行動の乱れについて5年間にわたり調査を行った。小児期(10~13歳)に社会人口学的リスク、対人関係リスク、臨床リスクの評価を行った。person-centered approachを用いて、潜在クラス成長分析、ジョイントトラジェクトリーモデル、PAFを調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・摂食障害とBPDの特徴をそれぞれ低、中、高の3段階で評価し、それらを掛け合わせた9つのジョイントトラジェクトリーを作成した。
・摂食障害レベルが高い場合、そうでない場合と比較し、BPDの特徴が高レベルであった。
・女性およびLGBTQ+の若者は、症状が重症化する可能性が最も高かった。
・いじめ行為および臨床的多動性は、BPDの特徴に対する特有のリスクであった。
・いじめ被害は、摂食障害およびBPDの特徴に対し、最大のPAFを示した。

(鷹野 敦夫)